Growthix Capital 株式会社 取締役 村上 宗太郎

「日本国内には、素晴らしい従業員に恵まれ、誇れる技術や製品、サービスがあるにも関わらず、後継者難や今後の業界変動へ対応する新たなノウハウが見つからずに困っている会社が数多く存在します。このような会社のM&Aを積極的に担うという社会的使命を実現する為に当社を立ち上げました」と話しているのは、つい最近大手M&A仲介会社から独立されたGrowthix Capital 株式会社の取締役 村上 宗太郎(むらかみ そうたろう)さんです。

村上取締役にM&Aに対する思い、これからのM&A業界の動きなどについて伺わせて頂きました。

1、活発に動いているM&A業界ですが、村上さまはこれからの業界の動きについてどのようにお考えでしょうか?

M&A業界はさらに広がっていくと思います。そして、すべてのM&Aに仲介会社が入るべきだと私は思います。

レコフデータベースの調べによると、2018年時点で年間3,850件のM&Aが公表されており、公表されていないものを含むと実際にはこの2~3倍のM&Aが行われているとも言われています。

これら未公表や小規模のM&Aを含めると、年間1万件前後のM&Aが行われているものと想定されますが、そのうち仲介会社各社が公表している年間成約件数を元に試算すると、仲介会社が介在できている件数は年間約1,000~2,000件程と試算できます。これらのデータから、仲介会社が介入せずに水面下で行われているM&Aは年間約8,000件前後におよぶと想定されます。

仲介会社が介在しないM&Aでは、税務・会計面、法務面などの多方面の着眼点で中立的な契約条件の調整ができていないケースが大半です。また、相手企業の選定時、交渉時や破断後などに情報漏洩し、風評悪化に繋がるなど譲り受ける側も譲り渡す側も大きなリスクを背負うことになります。

その他、M&Aの契約を進める際には会社の経営者だけでなく、M&A後の従業員の生活や取引先との関係継続の為に、告知する手順やタイミングをよく考える必要があります。安全に、関わるすべての人が納得するM&Aを進めるには、経験豊富なM&A仲介アドバイザーに介在してもらう必要があると思います。

2、日頃から様々なご提案をされている村上さまですが、最近ではどのようなご相談が多いのでしょうか?

後継者難や個人保証の解消、または相続時の高額な自社株評価のお悩みなどの事業承継に関するご相談が多いです。また、ここ最近では、業界の変動にどのように対応していくべきか、後継者難を含めた人手不足を背景に会社全てでなく、一部の事業を切り離したいという相談が非常に増えてきています

すべての業界に言えることですが、AIやIoTが参入し、少子高齢化などの社会問題が深刻化する中で、従来のビジネスモデルや行政の方針は大きく変わってきていて、取り巻く環境は激変しています。このようなご相談は今後さらに増えてくると思います。

時代の流れに対応した適切なM&Aの助言をするには、業界に特化した知見が必要であることに加え、多種多様な手法のM&A経験があるプロの仲介人が介在しなければならないと思います。

3、税務、法務、財務と様々な分野の専門知識を必要とするM&A業界ですが、この業界を選んだ理由を伺っていいでしょうか?

いつか起業したい。自分で何かのサービスを作り、世界を変えたい」と思っていました。

大学卒業後、新卒で入社した会社が証券会社で、経営者や地主などの資産家に対して金融商品を販売する新規開拓営業を行っていました。証券会社では販売する商品が決まっているため、営業活動を通して得る知識の深さに限界があると感じました。

M&A仲介は販売商品があるのではなく、M&Aを仲介するプロセスを提供することで価値を見出しています。そのためM&Aの助言を行うために税務、労務、法務のみならず、ビジネス面において多角的な知識が必要であり、実際に、M&A実務を通じてこれらの知識を深めることができています。

当時は「いつか起業したい」という漠然とした将来の夢へのステップアップとしてこの業界を選びましたが、実際に振り返ってみると想像以上に学びと成長があったと思います。

4、M&Aのご実績が豊富な村上さまですが、今まで最も印象に残っている案件は?

全ての案件が心に残っており、それぞれに感動的なエピソードはあります。その中でも「自分自身の考え方を大きく変えるきっかけになった案件」として印象に残っている案件は、年商50億円を超える企業の売却を約2年がかりでお手伝いしたときでした。

この会社は従業員を300名近く抱え、パートや業務委託を含めると2000人を抱える規模の会社で、取引先も数百件を抱える会社でした。この会社の経営者と初めてお会いした後、約2年の歳月を経て関係者数千人規模のM&Aを成立させましたが、同時に「2年かけた一件のM&Aで、守れた雇用が2000人」という現実を突きつけられたような印象を受け、自分の無力さを大きく痛感しました。

経済産業省によると「後継者不在の黒字企業の廃業を放置すると、2025年までの累計で約650万人の雇用と約22兆円のGDPを喪失する可能性がある」と言われています。

このような黒字企業の廃業や前に述べたようなM&A仲介会社が介在せずに水面下で行われているM&A件数を考えると、私たちM&A仲介会社が解決すべき社会的課題は莫大であり、解決は急務であると思います。この案件を機に「このままではいけない。M&Aで、日本を、世界を変えなければならない」と本気で思うようになりました。

5、つい最近、大手M&A会社を独立された村上さまですが、どのような思いで会社を立ち上げたのでしょうか?

前項で述べたようにこのM&Aで本当に「日本を、世界を変える」と思っています。

今ある仲介会社の中には、収益モデルや提供しているM&Aのビジネスフローが自社の利益を優先した設計になっている仲介会社が多数存在すると思います。仲介会社を介在せず、水面下で行われているM&A件数を考慮すると、M&A仲介会社が提供するサービスがまだまだ社会のニーズに対応できていない何よりの示しであるかと思います

日本国内には、素晴らしい従業員に恵まれ、誇れる技術や製品、サービスがあるにも関わらず、後継者難や今後の業界変動へ対応する新たなノウハウが見つからずに困っている会社が数多く存在します。このような会社のM&Aを積極的に担うという社会的使命を実現する為に当社を立ち上げました

6、これからM&Aを検討されている方へのメッセージをください

「会社を売ろうと思えば、相手先が現れ、成立する」という簡単なものではありません

M&Aを検討する中では「経営者自身やその家族にとって」「会社にとって」「従業員にとって」「取引先にとって」全てに最良の選択になるかを常に考え続けなければいけません。また、会計面・会社法上の問題点はないか、相手先との事業のシナジー効果、従業員の雇用の継続や取引先の継続など多くの観点に立ち、検討を進めなければいけません

M&Aを少しでも検討されているのであれば、まずは経験豊富なM&A仲介会社へ相談し、情報収集をされることをお勧めします。実際にM&Aに進むとなると成立するまでには非常に長い期間を要します。初期的な情報収集はお早めにされておくべきだと思います。もしM&Aに進まれなかったとしても、会社経営を続ける上での新たな気づきの場になるのではないでしょうか。

村上取締役への相談フォーム

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八木チエ

八木チエM&A INFO プロデューサー

投稿者プロフィール

大学卒業後、7年間IT会社の営業を経験し、弁護士事務所に転職。
弁護士事務所で培った不動産投資の知識を活かし、業界初の不動産投資に特化したメディアを立ち上げ。2018年に株式会社エワルエージェントを設立。不動産投資「Estate Luv」、保険「Insurance Luv」などのメディア運営やメディアのコンサル事業に特化。
M&A業界が盛んになった今、M&Aの情報を正しく伝えたい、もっと多くの人にM&Aの魅力を知ってもらいたいと思い、M&Aに特化したメディア「M&A INFO」を立ち上げ。より有益な情報を多く配信している。

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