資本業務提携とは?資本業務提携する4つのメリットと3つのデメリット

こちらの記事をお読みの方の中で、資本業務提携を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただの業務提携よりも、お互いに資本を出資することによって、よりお互いに利益を出すことに協力的になる反面、資本業務提携を解消するには非常に煩雑な手続きなるというデメリットもあります。

つまり、資本業務提携で成功させるには、メリットとデメリットについてきちんと理解した上で、行う必要があります。

そこで今回は、資本業務提携について知っておくべき知識をまとめました。資本業務提携を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1、資本業務提携とは?M&Aの一つの手法?

資本業務提携とは、資本提携と業務提携両方を同時に行うことを言います。当事者の片方の会社の株式を取得したり、お互いの会社の株式を持ち合う形の出資手法があります。

相手会社の経営権まで取得する買収すると、相手会社が上場廃止になりますので、一般的には経営権に影響しないよう「10%」前後の株式をお互いに保有するケースが多いです。

資本業務提携はM&Aの一つの手法とも言えますが、しかし、資本業務提携する時点では、お互いの会社は独立していて柔軟な業務提携が目的で、買収、合併など支配権を獲得の目的ではありません。

2、資本業務提携の2つの方法?

資本業務提携には大きく下記2つの方法があります。

(1)株式譲渡による資本業務提携

一つの方法は株式譲渡による資本業務提携です。

株式を取得することにより相手に支払った金額に対して、資本業務提携された会社は譲渡益に対して課税されます。

株主が個人の場合は「20.315%」の税率で、法人の場合は法人税として大体「30%」前後課税されます。

(2)第三者割当増資による資本業務提携

2つ目の方法は第三者割当増資による資本業務提携です。

第三者割当増資は、特定の第三者に対して新しい株を発行して、それを引き受ける権利を割り当てられる状態で増資を行うことです。

増資のため譲渡益が生じないので、課税されません。第三者割当増資について詳しくは「第三者割当増資とは?3つのメリットと4つのデメリット」を参照にしてみてください。

(3)出資比率の注意点は?

資本業務提携は、相手会社を買収、合併をする目的ではないとは言え、パートナー会社が自社の株式を所有することになりますから、経営権を与えないように「出資比率」について注意しておく必要があります。自社の経営に対する自由度が低下されないよう出資比率を慎重に決めましょう。

3、資本業務提携の4つのメリット

続きまして、資本業務提携の4つのメリットをみてみましょう。

(1)経営資源を得ることができる

業務提携よりも、お互いの会社に資本を持つことにより確実な協力関係を築けることができます。

運営資金、営業販路、技術力、優秀な人材など様々な観点により経営資源を得ることができ、より大きなシナジー効果を期待することができるでしょう。

(2)事業拡大のスピードが早くなる

資本業務提携したパートナー会社の技術力、営業販路、資金などを確実に得ることができることから、自社だけで努力するより、自社に足りない資源を補うことによって、事業拡大のスピードが早くなると言えます。

(3)資本業務提携を解消することができる

資本業務提携は相手会社とパートナーシップを組んでいるだけであって、お互いの会社は独立したままでありますので、資本業務提携することによってあまりメリットを感じられなかった場合、都合のいい時に解消することができます。

なお、たとえ資本提携を解消しても、業務提携を継続することはできます。お互いの会社にとってベストな組み方を選ぶことができるのも一つのメリットとして挙げられます。

(4)敵対的買収を阻止する一つの対策になる

株主構成が不安定な会社は敵対的買収に狙われやすいと言われています。

資本業務提携をすることによって、株主構成を安定させることができ、自社にとっては敵対的買収を阻止する一つの対策として挙げられます。

敵対的買収について詳しくは「敵対的買収とは?敵対的買収されやすい会社の3つの特徴と6つの防衛策」を参考にしてみてください。

4、資本業務提携の3つのデメリット

一方、資本業務提携することによって下記の3つのデメリットも挙げられます。

(1)経営上の自由度が欠ける

ただの業務提携であれば、お互いに独立した会社同士で協力関係を築けることができますが、資本業務提携になると、自社の10%前後の株式は相手会社が持つことになりますので、取締役の解任など経営に対して口出される可能性はゼロではありません

業務提携より深い協力関係を築ける反面、経営上の自由度はある程度欠けること認識しておく必要があります。

(2)株式買収の要求される可能性がある

資本業務提携はいつでも解消ができるというメリットの反面、いつ相手会社に株式買収を要求されるかわかりません。

一般的には、時価より高い価格で株式の買収を要求されることがほとんどのため、価格交渉や株式の買取資金の準備に時間が大変な場合が多いです。

(3)株価への影響が出る

上場企業同士の資本業務提携をすることによって、投資家から業績や収益が上昇する判断ができれば、株価は上昇しますし、一方、悪くなるとの評価となると株価は下落します。

一般的には、資本業務提携をすることによって上昇するケースが多く、時価総額が小さい会社は資本業務提携することによって、上昇する傾向があります。

とは言え、下落する可能性もあるので、このように株価への影響に注意する必要があります。

5、資本務提携の流れ

最後に資本業務提携の大きな流れをみてみましょう。

(1)資本業務提携に向けた交渉

資本業務提携の目的を達成できる交渉をスタートし、お互いに利益が出るよう妥協点を見つけます。

(2)資本業務提携契約書を作成

合意ができ次第に、具体的に資本業務提携契約書を作成します。

具体的には下記の項目が記載されます。

  • ①資本業務提携をする「目的」
  • ②資本業務提携をする「時期」
  • ③トラブルを回避するための「業務内容「役割」
  • ④締結に向けたのスケジューリング
  • ⑤資本業務提携の契約期間
  • ⑥「成果物」「知的財産」などの帰属
  • ⑦「収益配分」「費用」などの割合
  • ⑧機密保持について
  • ⑨支配権に変更があった場合「資本業務提携解消」の記載

(3)資本業務提携契約書を作成

契約書の内容についてFIXができ次第に契約書を締結します。自社の利益を損失しないよう、問題点を回避するため、弁護士、公認会計士などの専門家を交えながら作成するオススメします。

まとめ

今回は資本業務提携について書きましたが、参考になりましたでしょうか。

お互いの会社の経営権を持ったままで、相手会社の経営資源をフル活用できるのメリットがある反面、いつ解消されるかという先のことについて読めないというデメリットがあります。きちんとメリットとデメリットについて理解した上で、資本業務提携を検討するようにしましょう。

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八木チエ

八木チエM&A INFO プロデューサー

投稿者プロフィール

大学卒業後、7年間IT会社の営業を経験し、弁護士事務所に転職。
弁護士事務所で培った不動産投資の知識を活かし、業界初の不動産投資に特化したメディアを立ち上げ。2018年に株式会社エワルエージェントを設立。不動産投資「Estate Luv」、保険「Insurance Luv」などのメディア運営やメディアのコンサル事業に特化。
M&A業界が盛んになった今、M&Aの情報を正しく伝えたい、もっと多くの人にM&Aの魅力を知ってもらいたいと思い、M&Aに特化したメディア「M&A INFO」を立ち上げ。より有益な情報を多く配信している。

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