事業承継補助金とは?申請にあたって知っておきたい6つのこと

こちらの記事をお読みの方の中で、事業承継で補助金を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、補助金の具体的な内容は何か、利用する時の条件とはなにかなどについて、詳しく把握していない方も多いでしょう。

そこで今回は、事業承継補助金の中身、補助金の種類、審査のポイント、利用する時の流れについて書いていきます。これから事業承継補助金を利用したいと検討されている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

1、事業承継補助金とは

事業承継補助金とは、後継者不在等により、事業継続が困難になることが見込まれている中小企業者などが、経営者の交代やM&A後に行う新しい取組に対して、経費の一部を補助してくれる制度です。

2、補助金は2種類ある

この事業承継補助金は、経営者交代後の新しい取組を行う方を支援する「後継者承継支援型(Ⅰ型)」とM&Aをきっかけに新しい取組を行う方を支援する「事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)」の2つがあります。

(1)後継者承継支援型(1型)

後継者承継支援型(1型)は、親族内承継や外部人材を招き入れて経営者を交代した後に、新しい取組として新サービスの開発などを行った方を補助するものです。

(2)事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)

事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)は、事業再編・事業統合の後に新しい取組を行った方を補助するものです。

新しい取組とは、例えば、都内で複数の飲食店を経営しているA社が地方出店したいと思い、後継者不在で悩んでいる地方の老舗飲食店B社を経営統合し、店舗改装、広報活動等を行って新規顧客の開拓を行った場合などです。

どちらの補助金についても、事業承継をきっかけに経営革新等に取り組み、一定の実績や知識などを有し、地域の需要や雇用を支えることに寄与する事業を行う者であることが求められます。

3、事業承継補助金の補助対象者は?

事業承継補助金の補助対象者は、以下の①~⑦の要件を満たし、かつ事業承継の要件も満たす

  • 中小企業
  • 個人事業主
  • 特定非営利活動法人(以下、「中小企業者等」という)

であることが必要です。

(1)補助対象者の7つの要件

補助対象者には下記7つの要件が設けられています。

  • ①日本国内に拠点もしくは居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること。
  • 地域経済に貢献している中小企業者等であること。地域の雇用の維持、創出や地域の強みである技術、特産品で地域を支えるなど、地域経済に貢献している中小企業者等であること。
  • ③補助対象者又はその法人の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。反社会勢力との関係を有しないこと。また、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外となる。
  • 法令順守上の問題を抱えている中小企業者等でないこと。
  • 経済産業省から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていない中小企業者等であること。
  • ⑥補助対象事業に係る全ての情報について、事務局から国に報告された後、統計的な処理等をされて匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意すること。
  • ⑦事務局が求める補助事業に係る調査やアンケート等に協力できること。

(2)対象となる中小企業者など

対象となる中小企業者等は、下記の業種分類にしたがって、資本金の額と従業員数のいずれかに当てはまる者です。

業種分類 資本金の額又は出資の総額 従業員数

(常時使用する人数)

製造業その他 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5千万円以下 50人以下
サービス業 5千万円以下 100人以下

(3)小規模事業者の要件

小規模事業者とは、上記の「(2)対象となる中小企業者など」の要件を満たし、以下に当てはまる者です。

業種分類 定義
製造業その他 従業員20人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 従業員20人以下
商業・サービス業 従業員5人以下

事業承継補助金の補助対象者の要件について詳しくは「事業承継補助金」を参考にしてみてください。

4、補助上限額と補助率について

事業承継補助金の補助上限額と補助率については、詳しく下記一覧表を参考にしてみて下さい。

出典:中小企業庁「平成30年度第2次補正予算事業承継補助金の公募要領を発表します

5、事業承継補助金を利用にあたっての留意点

平成29年度補正予算「事業承継補助金(後継者承継支援型~経営者交代タイプ~)」について、申請があった481件のうち374件が採択されています

応募申請には経営革新など「新たな取組」を行うことが求められ、審査に当たっては新たな取組の

  • 独創性
  • 実現可能性
  • 収益性
  • 継続性

という着眼点に基づき、専門家などが審査します。

また補助金の申請に際しては、申請者による経営革新等の内容や補助事業期間を通じた事業計画の実行支援について、認定経営革新等支援機関の確認を受けている必要があります

要件の確認や申請方法等は、細かく定められているので、実際に利用を検討する場合は、中小企業庁認定経営革新等支援機関に確認してみると良いでしょう。

6、事業承継補助金の流れ

最後に実際に事業承継補助金を申請する時の流れを見てみましょう。

中小企業庁から申請するのか、認定経営革新等支援機関から申請するのかによって、流れが異なりますので、具体的には下記の図を参考にしてみて下さい。

出典:中所企業庁「平成30年度第2次補正事業承継補助金 公募要領

なお、事業承継全体の流れについて下記記事を参考にしてみてください。


まとめ

今回は事業承継補助金について書きましたが、参考になりましたでしょうか。

実際に申請となると、細かく要件をクリアしたり、新たな取組の独創性、収益性、継続性など様々な観点から審査されますので、補助金を受けるにあたって、きちんと準備する必要があると言えます。

平成29年度では8割近くという、低い承認率ではないと思いますので、補助金を検討されている方は、ぜひ一度はチャレンジしてみて下さい。

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八木チエ

八木チエM&A INFO プロデューサー

投稿者プロフィール

大学卒業後、7年間IT会社の営業を経験し、弁護士事務所に転職。
弁護士事務所で培った不動産投資の知識を活かし、業界初の不動産投資に特化したメディアを立ち上げ。2018年に株式会社エワルエージェントを設立。不動産投資「Estate Luv」、保険「Insurance Luv」などのメディア運営やメディアのコンサル事業に特化。
M&A業界が盛んになった今、M&Aの情報を正しく伝えたい、もっと多くの人にM&Aの魅力を知ってもらいたいと思い、M&Aに特化したメディア「M&A INFO」を立ち上げ。より有益な情報を多く配信している。

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